薄い生地を幾重にも重ね、ナッツを挟んで焼き、甘いシロップをしみ込ませる。トルコの菓子バクラヴァは、小さな一切れの中に、香ばしさと濃厚な甘さを閉じ込めています。 店先に並ぶ姿も華やかですが、この菓子がとりわけ気になるのは、人を迎えるために大きな盆や箱に用意されるときです。 ラマダンの夜、そして断食月が終わったあとの祝祭。なぜバクラヴァは、こうした時期と結びついているのでしょうか。 その背景には、オスマン帝国の宮廷で菓子を配った儀礼と、家族や親戚を訪ね、甘いものでもてなす暮らしがあります。ただし、宮廷の行事が ...